腰痛と思っていたら実は・・・
最近、「背中が硬い」「腰を曲げにくい」なんて感じていませんか?
実はそれ、ただの腰痛ではないかもしれません。
レントゲンを撮ってみると──
「背骨の靭帯が骨になってるね」と言われるケースがあるんです。
その正体が
👉 びまん性特発性骨増殖症(DISH)。
ちょっと難しい名前ですが、簡単に言うと
“骨や靭帯がゆっくり骨化していく病気”です。
「びまん性特発性骨増殖症(DISH:Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis)」は、
骨や靭帯がゆっくりと骨化していく病気なので、
最初はほとんど自覚症状がありません。
しかし進行してくると、場所によってさまざまな症状が現れます。
症状として
1️⃣ 初期は無症状
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多くの人は、レントゲンやCT検査で偶然見つかることが多いです。
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骨化が少ないうちは、痛みや神経症状はほとんどありません。
2️⃣ 背骨(特に胸椎・腰椎)に起こると
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背中のこわばり
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動きにくさ(可動域の減少)
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長時間座っていると背中が固まる感じ
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前屈や後屈がしにくい
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慢性的な背部痛・腰痛
3️⃣腰椎や骨盤部
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腰の動きが悪くなる
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腰やお尻の痛み
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下肢(脚)のしびれや重だるさ
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神経圧迫が強いと坐骨神経痛のような症状も出る
🔬 診断
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X線(レントゲン)検査で典型的な骨化像を確認
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胸椎の少なくとも4椎体にわたり前縦靭帯の連続的骨化があればDISHと診断されます
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骨粗鬆症や強直性脊椎炎など、他の骨疾患との鑑別が重要です
「骨増殖症になりやすい人」
1️⃣ 年齢・性別
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50歳以降の中高年男性に圧倒的に多い
(女性の約2〜3倍とされます) -
加齢に伴う代謝の変化・ホルモンバランスの変化が関係します。
2️⃣ 体型・生活習慣
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肥満体型(特に腹部肥満)
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運動不足
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高脂肪・高カロリーの食事
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飲酒習慣が強い人
3️⃣ 併存疾患
以下の疾患をもつ人に多いことが報告されています:
4️⃣ 遺伝・体質
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家族内発症が見られる場合もあり、
遺伝的な体質も関係していると考えられています。 -
特に**骨形成を促す遺伝子(BMP系など)**との関連が研究されています。
💊 治療
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根治療法はなし(原因が不明のため)
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症状に応じた保存療法が中心
- ストレッチや運動療法(可動域の維持)
- 消炎鎮痛剤(NSAIDs)
- 温熱療法
- 肥満・糖尿病の改善などの生活習慣管理
「骨」と「腎」は深く結びつく
東洋医学では、
腎は骨を主る(じんはほねをつかさどる)
腎の働きが弱まると、
骨・髄・脊椎などの「骨格系」の栄養が不足し、
異常な骨変化(骨の脆弱・硬化・増殖など)が起こりやすくなるのです。
👉 よって、びまん性骨増殖症のような
脊椎靭帯部の過剰な骨化も、
「腎精の滞り」や「腎陰・腎陽のバランス崩壊」によって生じると考えられます。
💡 治療・養生の方向性
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補腎:黒ゴマ、くるみ、山芋、黒豆、ナツメ、亀板など
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活血化瘀:丹参、川芎、紅花など(血行促進)
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利湿・化痰:はと麦、陳皮、茯苓など(代謝改善)
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軽い運動・温熱療法:血流と腎陽を補う
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冷えの改善・夜更かしの抑制:腎精を守る
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腎系のツボ (腎兪)→ 骨や脊椎を栄養する
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血流を改善し、骨や靭帯に栄養を届ける
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体内の余分な水分・痰を取り除き、骨の硬化を抑える
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腎陽を補い、血流を改善
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筋・靭帯の柔軟性を保つ







