大雨の日に、水路の様子を見に行く心理
大雨の日に川の様子を見に行って亡くなるケースは、災害関連の死亡事故の中でも毎年のように発生します。
気象庁や消防庁、防災機関も「絶対に様子を見に行かないで」と強く呼びかけているのは、この行動が極めて危険だからです。
またこのような報道、ニュースがあると
必ず!!
なぜ危ない川に近づくのか!? 危ないのがわからないのか?
迷惑になる行為だとわからないのか? との意見があります
もちろん興味本位でいってみたり、写真を撮りたかったなどで亡くなる方もいますが
全員ではありません。
ニュースで「川の様子を見に行って亡くなった」とだけ報じられるのは、
とても不正確で、故人の行動や背景を軽く見られてしまうような印象を受けます
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ニュースでは短時間で伝えるため、詳細な経緯より「川の様子を見に行って…」と簡略化される。
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その結果、視聴者は「物見遊山」「好奇心で危険に近づいた」と誤解。
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本来は「危険を承知で地域や生活を守ろうとした行為」なのに、使命感や責任感が抜け落ちてしまう。
現実の多くは「興味本位」ではなく「使命感」や「生活防衛」なんです
”このことは実際に河川管理者に委託を受けた地域住人と、田んぼを持っている人から直接聞いた話です”
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自治会・消防団・河川管理者・河川管理者からの委託(地域住人)
- 洪水や氾濫を防ぐために水路、ポンプの詰まりを除去しに行く(ゴミの除去が一番危ないといわれていました)
- ポンプが作動しているか、物が詰まってないか機械に不具合がないか見に行く
- ポンプがうまく作動しないと地域の住民への被害を少しでも減らそうとする使命感
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農家・住民
- 家や田畑が浸水するのを防ぐために土のうや水路の掃除をする。水路が詰まり水が流れてはいけない場所に流れ出すと田んぼの枠組みが決壊(壊れる)と言われていました
- 排水路のゴミや流木を取り除かないと、自分だけでなく周辺にも被害が及ぶと知っている。
- 田んぼの「枠組み」というと、だいたいは畦(あぜ)や堤防部分、コンクリート製の水路・用水路、もしくは農業用の水門や堰(せき)のことを指します。これらが大雨や増水で壊れると、修理費が数十万〜数百万円単位に膨らむことがあります。
- 高い場所にある住宅でも、排水口が詰まると庭に水が溜まり流れ出すときに土をもっていかれ、ひどい場合は基礎まで影響が出る、下の住宅に被害が出る場合がある
農家が命をかけてでも見に行く背景
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数百万の修理費は、その年の収入を大きく削るどころか赤字になる。
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水路や枠が壊れると、翌年以降の稲作にも影響が出る。
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そのため「命の危険は承知しているが、被害を最小限に抑えたい」という心理が強く働く。
田んぼの修繕費用が高額になりやすい理由
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構造が特殊
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農業用の水路や畦は単純な土手ではなく、内側に防水シートやコンクリートが敷かれていることが多い。
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修復には専門の農業土木業者が必要。
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重機や材料費
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大型ユンボ・ダンプなどの重機搬入費が発生。
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コンクリートや資材も現場まで運ぶコストが高い。
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被害の連鎖
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枠が壊れると周囲の田にも水が回り、被害範囲が拡大。
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補修の範囲が1か所だけでは済まない。
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公的補助が効かない場合もある
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個人所有の農地や私設水路は、災害復旧補助の対象外になるケースが多い。
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農業共済や特定の災害保険に入っていないと自己負担。
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特に水位が上がり始めたときや、田んぼの排水口が詰まりかけたときは、
「今すぐ行かないと」=「自分で行くしかない」になりやすいです。
「使命感が命を危険にさらす典型パターン」
夜中や未明は、”知り合い、家族を起こしてまで”っと思い単独で様子を見に行くことが多い
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水位変化や足場の状態が見えにくい
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流木や漂流物が視認しにくい、できない
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気温低下で低体温症リスクが上がる
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救助も遅れる
という条件が重なって、昼間よりも格段に危険です。